犬願望

人間は三次元世界で生きているといわれている。そこに時間軸を含めて、実際の世界は四次元世界である、とする主張もある。天文学、物理学の世界では5次元ぐらいまでは観測が進んでいるし、数学的には、十次元ぐらいまではとりあえずある、というか計算できる。という事になっている。
しかし、人間は案外一次元の世界で生きている。自分にとって有益か否か、これが人間の持つ唯一の次元である。人間は、万物をこの次元に変換して見る。
この次元は生まれた時からずっと見ているので、あっという間に見飽きてしまう。もう見飽きている。見飽きるので、新鮮な、別の次元から物事を見たいと思うようになる。考えられる方法は二つしかない。

  • 人に従う事
  • 恋愛

前者は、自分の利益とは無関係に人の利益のために行動することであって、これは全く新鮮な視点である。*1ただし、一次元的に考えると、非常によろしくないことでもある。たまに全てを放棄して、これに身をゆだねている人を見かけるが、それはそれで幸せな人生なのだと思う。
さて、後者の解説に移りましょう。後者は、自分の利益のために行動していないように見せて結局は自分に有益か否かという次元で行動している、という不思議な状況を生む。一次元よりは大分マシである。一次元に投影した多次元といえよう。
  
こうしてみると、残念ながら、人に従っても恋愛をしても、それだけで万事解決とはいかないようである。そこで二つを混ぜ合わせてみる。
・・・あとは分かるでしょう。犬願望です。これが現時点で考えられるベストです。

*1:利益の一致によるものは含めない事とする。