ソニータイマーの正体

自分は、ソニーの家電を何回か開けてるので、何となくソニータイマーの正体が分かります。それについて説明してみます。
  
  
そもそも、ソニータイマーというのは、ソニー製品についてる保証期間が過ぎたらぶっ壊れる、という機能のことです。
  
ところで、電子部品には寿命があります。
といっても、これは個体差が激しく、50年持つ奴もいるし3年で逝くのも、という感じです。まあそういう極端なのは除いて全体としてみてみると、大体10年くらいでちらほら逝きはじめ、段々年数と共に逝きやすくなって20年を超えた辺りにピークがあり、その後長生きするのは35年くらいまで、という感じの傾向になってくれます。
  
さて、この傾向から読み取るに、15年持つ家電は十分作れますよね。ソニータイマーは10年くらいで作動するから、5年無駄にしています。どうして寿命の前に壊しちゃうのか。
  
15年持つ、ソニータイマー非搭載家電の問題は、いつどこが壊れるか予想出来ないことです。
これは、発火事故とか感電事故を予防出来ないということを意味します。これは問題です。
だから、本来の寿命で壊れる前に、ソニータイマーを作動させて、安全に故障させるわけです。ソニータイマーで壊れれば、電源がつかないとか表示が乱れるとか地味な故障で済んでくれます。火なんか出しません。ソニータイマーはそういうところに仕掛けられてるんだから。
  
という訳で、ソニータイマーの正体は
「安全の為の、老朽化したら勝手にかかる自動ブレーキ機構」です。
  
上手い設計者は、もし壊れても安全に止まる、そういう設計をします。これを実現する一つの方法として、壊れても危険のないところが一番最初に壊れる設計、というのがあるわけで。
つまり、そういうところを壊れやすく作っておくわけです。上手いですねぇ
  
  
ネットにソニータイマーをやたら批難してる人がいたりしますが、こういうのは少し考えれば分かる話なわけで。ソニーをいじめちゃ駄目っすよ
*1
*2

*1:当然他社も似たようなことはやってる……はずです。

*2:ソニータイマーを実現する方法は簡単で、壊したいところを高温にするとか、局所的に寿命の短いコンデンサ使うとか、色々あります。でも、ちゃんと保証切れた直後に逝くように作るにはそれなりの技術力が必要です。