泉鏡花読んでみた
泉鏡花なんて、義務教育じゃやりません。国語の便覧の索引を引いてみたら、なんと載ってなかった・・・ちょっとがっくりくるなぁ
といっても、私が鏡花を知ったのは文学少女シリーズの6巻
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/12/25
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 274回
- この商品を含むブログ (239件) を見る
兎に角、あの作品は野村美月さんの文章が上手くて、文学少女を読んでいると、一々出てくる本を読んでみたくなってくるのです。その上、どうも氏がネタに選んだ本は厳選されていて名作揃いですから、ハズレがないんだわ・・・
とはいえ、知ってはいても、どこにあるんだそんな本・・・という感じでしたので、正直すぐには読まなかったのだけど*1、そんなのも忘れていた頃に、この前読んだ本が・・・これ
- 作者: 夏川草介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/08/27
- メディア: 単行本
- 購入: 20人 クリック: 365回
- この商品を含むブログ (208件) を見る
この作品の中に、主人公が漱石や鏡花を読みつつ、大学を徘徊するシーン(うろ覚え)、の回想シーンがあるのです。ほんの一瞬のシーンで、映画版では鏡花の名前は出なかっただろう・・・と、まあ殆どの人にはどうでも良いシーンなのですが、鏡花の名前が引っかかっていて、いつか読んでみたいと思っていた私には、そのワンシーンで十分でした。数日後には、学校の図書館で鏡花を探している自分が居ました。
・・・それにしても、データベースに検索かけても鏡花が二件しかヒットしない学校の図書館・・・オワタ
そういう経緯があって、鏡花を読んでみたのですが・・・見事。あれは凄いわ・・・面白い。引き込まれる。適切な言葉はないかと探してみたら、『溺れる』という言葉が一番適切なように思った*2。そして、それに身をゆだねてしまえば、いつの間にか心地よい幽玄の世界に立っているのだ・・・
・・・まあ、鏡花のレビューなんて私には無理です。あの魅力をちゃんと伝えてくれる文章なんて、それこそ冒頭の『文学少女』くらいかもしれません。といっても、あれは本一冊あって、独立した別のストーリーまで入れて、そこまでして*3やっと鏡花の魅力が伝わってくるのですから、まあ少なくともブログじゃあ無理かな。
凄いから皆さん読んでおしまいなさい、としか言えないけど兎に角お勧めだから、ほんと皆さんどうぞ。
- 作者: 泉鏡花
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (13件) を見る