泉鏡花読んでみた

泉鏡花なんて、義務教育じゃやりません。国語の便覧の索引を引いてみたら、なんと載ってなかった・・・ちょっとがっくりくるなぁ
といっても、私が鏡花を知ったのは文学少女シリーズの6巻

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

から、でしたりしますから、あんまり偉そうな事は言えません。
  
兎に角、あの作品は野村美月さんの文章が上手くて、文学少女を読んでいると、一々出てくる本を読んでみたくなってくるのです。その上、どうも氏がネタに選んだ本は厳選されていて名作揃いですから、ハズレがないんだわ・・・
  
とはいえ、知ってはいても、どこにあるんだそんな本・・・という感じでしたので、正直すぐには読まなかったのだけど*1、そんなのも忘れていた頃に、この前読んだ本が・・・これ
神様のカルテ

神様のカルテ

神様のカルテ、映画化しましたっけ・・・・映画面白いの?映画化には向かない作品な様に思うのだけど。
  
この作品の中に、主人公が漱石や鏡花を読みつつ、大学を徘徊するシーン(うろ覚え)、の回想シーンがあるのです。ほんの一瞬のシーンで、映画版では鏡花の名前は出なかっただろう・・・と、まあ殆どの人にはどうでも良いシーンなのですが、鏡花の名前が引っかかっていて、いつか読んでみたいと思っていた私には、そのワンシーンで十分でした。数日後には、学校の図書館で鏡花を探している自分が居ました。
・・・それにしても、データベースに検索かけても鏡花が二件しかヒットしない学校の図書館・・・オワタ
  
  
そういう経緯があって、鏡花を読んでみたのですが・・・見事。あれは凄いわ・・・面白い。引き込まれる。適切な言葉はないかと探してみたら、『溺れる』という言葉が一番適切なように思った*2。そして、それに身をゆだねてしまえば、いつの間にか心地よい幽玄の世界に立っているのだ・・・
  
・・・まあ、鏡花のレビューなんて私には無理です。あの魅力をちゃんと伝えてくれる文章なんて、それこそ冒頭の『文学少女』くらいかもしれません。といっても、あれは本一冊あって、独立した別のストーリーまで入れて、そこまでして*3やっと鏡花の魅力が伝わってくるのですから、まあ少なくともブログじゃあ無理かな。
凄いから皆さん読んでおしまいなさい、としか言えないけど兎に角お勧めだから、ほんと皆さんどうぞ。

泉鏡花 (ちくま日本文学 11)

泉鏡花 (ちくま日本文学 11)

*1:文学少女初めて読んだのは一年前・・・おい

*2:というか、文学少女で同じ評価されてましたわ。詰りパクリ

*3:変な話だけど、読めば分かる