文学少女のレビュー

ライトノベルといえば、一般的には
『萌え本』
と認識されていますが、私は、ラノベには『実験的文学』という側面があるように思います。要するに、前例はないけど、ちゃんとした文学。そういった、文学界では行き場の無い作品をラノベが受け入れてくれる。そういうことです。
何せ、萌えとラノベ展開を看板に掲げれば客はいくらでもくるわけで、中身が前例の無い文学形態でも、萌えのオブラートに包めば結構あっけなく受け入れられてしまうのです。有川浩なんて好例でしょう。橋本紡もそうかな?
  
ええ、その手のは所謂「好みの分かれるラノベ」です。そりゃ、単に萌えてたい人にとっては、文学サイドに位置するそういう小説はうざいのでしょうが、私みたいな小説を読みたい人間からすると、むしろ大歓迎な訳で・・・「あれはアニメ化する話じゃねぇ!」とか日常的に言ってるわけです。こんな人間になってはいけません。
  
そういう訳ですが、その分類に従うと、文学少女は『実験的文学』に入ります。しかも、その中でも特に異端の部類に入るわけです。異端というか、文学少女が売れても、あのジャンルの後は追えない。だから、ジャンルの中に文学少女だけあって、独走しっぱなし。そういう、ちょっと怖い小説。
  
  
え?どういう話かって?

それをネタバレしちゃ駄目でしょう。
  
  
あの小説は、ネタバレしちゃうと勿体無いと思います。先入観はどうせ読み出したら消えるから良いにしても、中身は知らないほうが楽しめます。amazonレビューなんて見ないで買ったほうが良い。
何も言わないから、振り回されろ。文章に引き込まれろ。そういうラノベです。お勧めです。
  
  
忘れてはいけないのは、あれを読んだ後でいいので、ちゃんとネタ本を読むこと。これは端折らない方が良い。