satri式ヘッドホンアンプ 試聴

前回
パスコン、zobel追加した状態で試聴。もっとも、これで音が変わるとは思わないがあ。
  
ipod付属のイヤホンを耳に付け、ヘッドホンアンプの端子に差し込む。入力はまだ繋がない。
よく、接続の時にバチバチとノイズを鳴らすヘッドホンアンプがあるが、これにはそういうことがない。かすかにぷすっと鳴るだけである。これはDCオフセットが小さいことを示唆し、それはアンプの素性の良さをも示す。実際、DCオフセットは計測によると0.03V。十分に低い。部品一個一個をちまちま測定して組んだアンプという話なら頷けるが、無選別、無調整でこれである。カレントミラーなんていう敏感な回路使っておいて。
しかし、その状態で耳を澄ますと、微かなサーというノイズが耳に入ってくる。これは改良の余地があるだろう。改良の手段があるかは知らない。アプローチとしては、ローノイズなトランジスタと交換するのが一番手っ取り早いのだが。
いよいよ入力をPCのライン出力に繋ぐ、と途端ノイズが大きくなる。これなら、アンプ側の残留ノイズは無視してもいいかもしれない。PCのはどうしよう。ONKYOのオーディオボードでも入れたい所。
さて、その状態で音楽を聴いてみる。アニソンを聴くと、音がぱーっと散らばる感じがする。これは、このアンプが良いアンプであることを示唆している。因みに、ipodのイヤホンをそのままPCにさすと、なんだかうじうじした音になる。ついでに、ソースにもよるが、音の定位が積極的にイヤホンの外に広がる。その広さが半端じゃない。おそらく三十畳はあるだろう。
そのまま東方ボーカルなり普通の楽曲(といって奥華子な辺り私である)なりをしばらく聴いていると、低音がドンドンしないことに気がついた。といっても低音がでないのではなく、もっと深い所からでているという感じ。言葉で説明するのは難しいが、低音は質の悪い再生をするとボムボムと響く。そこから標準レベルに達すると、これがドンドンになる。ミニコンポは大体低質〜標準の間にある。そこからさらに質を上げると、今度は低音がドーンドーンになってくる。もっと上げるとドードーとなる。しかし本機は、敢えて記号で表現するなら ー ーとでもするべき鳴り方をする。思い浮かんだのはどっどどどどうどどどうどどどど。あれが一番近い。低音が風として感じられる。
風という言葉でどきりとして、改めてボーカルなど注意して聴く。ぬるっと音が出てくる。そこにipod付属イヤホンは感じられない。ただ、音があるのみ。

 まるで空気のやう。

チッと舌打ちする。空気のような鳴り方というと聞こえは良いが、自然過ぎて不自然という言葉でも形容出来る音でもあり、聴いていると脳味噌がぬるぬるになる。こういう音は私は大好きであるが、だからこそ、今回は変態ロリ元気っ娘みたいなアンプが欲しかった。違う回路でもう一台組んで、気分で聴き分けるとするか。
次はどんな回路で組もう。やはり、ベース電流ドライブアンプか。hfeの測定面倒そうだな、などと思いながら、私は脳味噌がぬるぬるになるアンプで音楽を聴くのだった。
 
蛇足だが、一週間ほど前、我が家にスピーカーが一台入った。面倒なので書いていなかったが、いつまでもそう言う訳にもいかないので書いた次第。
こいつには、特別に設計したアンプなどではなく、大昔から使っている0dbアンプをおごってやったのだが、それにも関わらず空気のような音を出しやがった。後日改めて記事を書くが、三菱は本当に良い仕事をする。廃業してしまったのが残念だ。