サトリ式ヘッドホンアンプ出来ました(ただし基板だけ)

前回
一昨日辺りに基板製作したら見事に動作しなかったので昨日デバックしていたのですが、ちゃんとミスった箇所も見つかり、ミスを修正して無事完成しました。(なんでこんなとこっていう恥ずかしいミスでした、しかもさりげなく危ない箇所でした。電圧が3Vと低かったから助かったようなもので、電圧高かったらトランジスタが焼損するところでした。恥ずかしいので書きません。)
以下デバック風景などアップします。画質粗いけど勘弁して


全景。画像編集が面倒なので写真はタテのまんま(笑)首を90度回すと良い感じになる写真。
回路動作の安定度が分からないので、撮影時は電池を抜いているのがお分かり頂けるだろうか。もっとも、もし言われるまでもなく気づいたという奴が居たら、変態である。
 

基板表面。トランジスタがなんだか曲がってますが、半分は意図的にやってることで、発熱がクリティカルな部分に伝わらないようにと配慮してのことです。あとの半分は?聞かないでください。
 

基板サイズがよく分かる写真。ついでに回路規模もよく分かる。これでステレオアンプ。意外とちっこい。基板の半分くらいが空いてて、ちょっと間抜けである。後でカットするか?面倒だからそのままにするかも。
因みに、この基板のトランジスタの内、四個(片ch二個ね)を1A級のトランジスタと交換すると、そのままスピーカーを鳴らせるアンプになる。特に回路は変えなくて良いし、放熱に気を遣う必要もない。(どうしてそんなに簡単なのかは、この回路図でも見ながらじっくり考えてみよう。面倒な人は「インバーテッドダーリントンマンセー」の一言で理解してください。)
 

裏面。表面実装ちっくな抵抗が、なんというかすごく自然に馴染んでいるというか、特筆すべきことが無すぎると逆に特筆すべきことになるという好例。
しかし、本来こいつらは自然に馴染むべき部品ではない。後から追加したのです。実は、一回この抵抗なしで組んでみたらノイズが酷くて、ヘッドホンつけた状態で
 『窓の外で雨が降っているかのよう』
だったので、こいつらで叩いたのである。詳しい原理は解説しないが、この抵抗によって電流帰還というものがかかって、特性が良くなる。ノイズも減る、つーか減った。劇的に。
ところで、この裏面の抵抗追加を通して、部品も配線も全部裏面から刺して、表面実装ちっくに実装するのが、ユニバーサル基板的には一番作りやすく、メンテしやすいのではないのかと学びました。CDPの出力回路、今度それで作ってみよう。
 
  
  
そういう訳で、スパゲッティと格闘して、どうにか音が鳴るレベルまで持って行きました。本格的には視聴していないので、視聴記は次の記事で。
 
 

技術的なこと

カレントミラーで電流を受けてサトリ式で送り、エミッタホロアの入力インピーダンスが高い事を利用してゲインを稼ぎ、NFBで纏めてぶっ殺すというそれだけの回路です。
最終的な回路図はこれ。

トランジスタは全部C1815とA1015で良いです。負荷に合わせてインバーテッドの受けtrを変えると、幅広い負荷に対応できます。スピーカーも鳴らせます。その際は電圧を倍くらいに上げたほうが良いでしょう。
それにしても、ああ、4.7kΩ余ってたのねと妙に見た人を納得させる回路。いえ、それだけではないのですが。
入力インピーダンスは大体5kΩくらいと少し低めなのですが、ヘッドホン出力→本アンプ→ヘッドホンという接続で使う限りはこれでも問題は発生しません。頑張れば入力インピーダンス10kΩ(入力抵抗とNFB抵抗を大きくするだけ)くらいまでにはなりますが、ゲインが犠牲になるので歪み率は悪化します。まあ、私の使い方だと5kΩでも良いというだけの話で、適宜調整してください。
  

サトリ段

ただの上下二段重ねカレントミラーです。エミッタ抵抗を1kΩと大きめに取る事で特性を改善し、素子の選別を不要にしています。また、コレクタ損失も削ってるので、熱結合も不要です。風が当たる使い方するなら別ですが。
ただし、電圧のスイング範囲が結構減りますので、無闇にでかい値を入れられる訳ではありません。私は手元に余っていたというだけの理由で1kを入れただけなのですが、まあヘッドホン負荷ならこのあたりが適正でしょう。
  

バイアス

ダイオード二本で済ませています。ダイオードは、一般的な小信号用ダイオードで問題ありません。多分ですが、流れる電流から考えると多少バイアスが少ないと思うので、改良の余地があります。もっとも、あまり増やすとアイドリング電流が増えて、電池の持ちが悪くなるのでこのままでもいけます。幸い、NFBの多い回路なので十分実用になります。
  

バッファ

インバーテッドダーリントンです。よって熱補償が不要です。また、発熱量が少ないので放熱も不要です。
オペアンプ系のヘッドホンアンプは、ヘッドホンのコードの容量とインダクタンスで発振したりするのですが、この回路もNFB量が多いのでリスクはあります。その内出力にzobelフィルタ入れようと思います。入れ方はhttp://nabe.blog.abk.nu/Chu-Moyこちらのサイトが参考になります。
  

電源

単三四本で鳴ります。二本だと無理です。三本なら分圧入れて使えますが、電圧的にギリギリです。。
サトリ&エミフォロなので、パスコンが必要です。もっとも、上の写真にはついてませんが。あとで入れておきます。
  
  
全体的には、すっきりと纏まっているほうだと思います。バイアスに改良の余地がありますが、それ以外は大体いける回路でしょう。