鳥籠荘の今日も眠たい住人たち
読書が趣味と言ったら、そんなの趣味の無い人間が苦し紛れに履歴書に書く物だと言われるらしい。ちょっと不愉快な反面、大体同意しちゃう。
- 作者: 壁井ユカコ,テクノサマタ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (81件) を見る
学校で、一時間目の授業の間に読み終わった*1のですが、俺好みでした。
思えば最近はぐっとくるような、読んでる途中に嫌になってしおり挟んで閉じて枕にぼふってして、二分ぐらいしてまた開くような小説ばっかり読んでいて(例:さよならピアノソナタ、さくら荘のペットな彼女、文学少女)、これくらいの読みやすさの物は久しぶりです。割と読みやすいほうです。
ぶっちゃけると、小説は重くしちゃえば自然と評価は上がる物で(そりゃ、ズカズカ踏み込んで、人間の心弄ってくるんだし)、それって使いやすいけど中々上手く決まらないテクで、それを上手く決めるから杉井光は偉いんだけど、っていうか最近そのテク上手く決める作家のばっかり読んでる感があるんだけど。
その点、鳥籠荘は重くない癖に、個人的に高評価。心の中にズカズカ踏み込んでくるんじゃなくて、心の周りをふわーっとした雰囲気で被って、窓から外みてうわぁ・・・!!なんていわせてくれる感じ。
それを支えるのは、単にキャラの造形の上手さと、文章力でしょう。いや、他に小説の要素ってないけど。要するに、そう言う事なのです。この作者、小説が上手い。*2
そして、その小説を支えるのがテクノサマタさんのイラスト。あの画風は、この小説にはベストマッチだと思います。あの文章だと、萌えイラストでやったりしたら台無しだし。溝口ケージとかに書かせたら・・・面白いかも。面白い以上にはならないだろうけど。この組み合わせで行った、電撃の編集さんGJ。
評価は暫定的に☆4としておきましょう。☆1は、お腹がすいてる時にはちょっと軽すぎたという分の減点です。それに関しては、二巻以降で巻き返す可能性も十分に残っていますので、現時点では確定しません。というかそれは好き嫌いの領域ですね。